ずっと君を見ていた……
ペシッ。


後ろから頭をはたかれた。


「また日暮君ばっかり見てたんでしょ!!仕事しなさい!!」


叩いてきたのは、私の親友でもあり、同じマネージャーの佐藤 由菜。


「もう3年のうちらは、夏の大会が最後なんだよ?」


そう、今は甲子園への予選の真っ最中。


明日は、いよいよ県予選の決勝なんだ。


雨で中止になってしまったから、雨上がりのグランドで、軽く身体を動かしているんだ。


「ごめんね、由菜ちゃん。」


私は明日のユニフォームなどを準備してたハズなのに、気づけば動きが止まっていたらしい(笑)


「全く。朝も帰りも一緒なお隣さんなのに、よく飽きもせず見てられるわね。」


私が海人を好きだと知っている由菜ちゃんは、苦笑いだ。


「自分でもビックリだよ(笑)」


そう言いながらグランドに目をやると、みんながグランド整備を始めていた。
< 7 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop