brass band
三章 中学二年生

進級

☆♡☆♡☆♡☆♡☆♡☆
クラス替え……
それは、生死を意味する。
『花花!!』
後ろからの声に振り返る。
『仁美ちゃん』
うん、まぁ、私のことを【咲花】ではなく呼び辛いからと【花】と呼ぶのは、吹奏楽部の人と、家族と翔汰くらいだろう。
『おはよう、いや、いよいよだね』
『そうだね、仁美ちゃんは1組なんじゃない?
今年も岸Tなんじゃね?』
大半クラスって決まってる人は決まっている気がする。
『うちもそんな気がするよ……あは……』
『あはは……うーん……同じクラスだといいなぁ。そしたら、知らない人がたくさんいても大丈夫そうだよ』
ありもしない自信を呟いた。
『あはは!確かに私も不思議と大丈夫な気がするー!』
ふとした瞬間。
そんな事を言われると、じわっと目頭が熱くなっていくのを感じた。
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