あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]
「ルクティア……?それって……天界だよね」
この世界にある、もう一つの界。
今この場所から遥か遠い空の彼方に存在する。
神聖な場所で、天使や神しか入ることができない。
そしてまた、天使や神も、そのルクティアから出ることは出来ない。
ルクティアから、出ることも許されず、一生籠の中で過ごす──。
そんな、謎多き世界。
でも、あたしは一人、ルクティアの天使を知っていた。
それは、オスガリアを統治する、〈千の目の天使〉紗桜《さくら》だ。
彼女はなぜか、天使の力のほかに魔力も有していて、オスガリアにいる。
あたしが知っている中で、唯一下界に降りて来ている天使だ。
よく考えたら、どうして紗桜って下界にいられるんだろう。
もしかして、紗桜なら、何かを知っているかも?
この案を皆に話すと、皆も同意してくれ、この後の予定が決まった。
聞き込み調査を続けたものの、なかなか当事者は見つからず、見つかったとしても話したがらない人が多かったり、どれも曖昧な噂話にしか過ぎなかったりすることが多く、大した収穫はなかった。
気づけば昼下がりはとっくに過ぎ去り、少し涼しくなった時間帯。
あまり遅くなってしまっても相手に悪いと、オスガリアへと向かった。