天使が舞い降りたら…。


「ねぇ、お母さん、何も見えない?」



「見えないも何も、咲しかいないじゃない。」



なるほど。


お母さんにはキューピッドは見えないんだ。



「まぁ、ワシは姉ちゃんのキューピッドやからな。やたらと見られて週刊誌に載ったら困るしな。」



「載らないわよ。」



私は、不思議がる母さんをよそにさっさとお茶のコップ2つを両手に持って自分の部屋に入った。



< 10 / 91 >

この作品をシェア

pagetop