天使が舞い降りたら…。
奥多摩行った事ありますか?


「ただいま~。」



玄関を開けて家に入ると、台所に向かいお母さんに声を掛けた。



「おかえり。」



そのまま食器棚からコップを2つ取り出し、冷たい麦茶を注ぐ。



「あら?お友達でも連れて来たの?」



お母さんに尋ねられて、私はそのまま上を指差した。



「さっき知り合ったばかりだけど、お茶飲みたいらしいから連れて来ちゃった。」



「ん?誰かいるの?」



少し首をかしげるお母さん。



「ほら、いるじゃん。変な浮遊物。」



「誰が変な浮遊物やねん!」



「痛っ。」



キューピッドが持っている白いステッキで頭を叩かれて思わず声を出す。



「何1人でやってるの?変な子。」



相手してられない、と言った顔でお母さんは再び食事の用意を始めた。


もしかして。



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