Knights of the Round
「寝惚けるな」

纏ったローブを翻し、手にした杖を振り上げる。

マーリンのその動作だけで、カムランの戦場に横たわっていた累々たる兵士の屍から、青白い魂が立ち昇る。

それらは冥界より呼び戻された霊体となって、生き残った騎士王軍の兵士達に纏わりついた!

「二代に亘って、無償で、お人好しにも尽力し続けると思うか?目の前に王国の富も名誉も転がっているのに、無欲にも仕え続けると思うか?私には騎士王にも円卓の騎士にもない、魔導士としての力があるのに。黙って従い続けると思うか?」

マーリンがけしかけると、霊体は兵士達に襲いかかる。

「見よ、騎士王軍全員を相手取っても、私は十分に戦えるのだ。こんな力を持っていながら、貴様らに従い続けると思うか?隙あらば王国を丸ごと乗っ取ってしまおうと考えても、些かの不思議もあるまい」

「ならばマーリン!お前はキャメロット王国を乗っ取る為にっ?」

「そうだとも」

パーシヴァルの言葉に、マーリンは笑った。

「ペンドラゴンに伝えた予言とて、モルドレッド一人に復讐心を植え付ける為の策の一つ…奴には魔剣ダーインスレイヴの担い手となる素質があった。それを利用する為に、あの予言をペンドラゴンに伝え、この謀反の計画を立てたのだ」

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