零姫
もしかすると、壁男さんを怒らしたかもしれない。

「…1年生か……俺の事は知ってると思うけど、龍宮寺 鈴音。宜しくね」

「あの、私、壁男さん……じゃなくて、龍宮寺さんの事知りませんよ?勝手に決めつけないで下さい。」

すると、龍宮寺さんは、目を見開いた。まるで、俺の事知らねえの!?…とでも、言い出しそうな勢いで。

「俺の事知らない奴、いたんだ。……次の時間、休もう。ここなら、誰も来ないよ。」

どうやら、私を誘っているようだ。

「まあ、別に良いですよ。」

そういって、龍宮寺さんの後について空き教室に入った。

・・・・・・・・・・。

この沈黙を、どうしたら良いのか。

「なあ、俺の事周りには黙っててくれるか?」

「なんで、昨日と同じ事を、2日続けて言わないといけないのかな…
誰かに話すとか、私はしませんよ。」

誰にでも聞かれたくない事の一つや二つはあるしね。
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