雪のハナビラ
大きなカタチ
私は富士見学園に通う普通の高校三年生。特に目立つ存在でもなく、ほんと普通に生活をしている。
目立ってる子とか、かわいい子とか見てるといいなぁって思う時がある。「ユウビ!明日の文化祭の出店担当ユウビでしょ?なぁんにも準備してないじゃん。」
そういえば明日文化祭だった。しかも私が担当だったっけ。
「ごめん!メグ!今から手伝って!」
「しょうがないなぁ。帰りお好み焼きね!」
やっぱり私は目立たないで普通がいい。と思った瞬間だ。メグといると居心地がいい。
その日は文化祭の準備に追われてしまった。

当日特製カレーを全て売り切ろうと私は何故か頭にハチマキをしていた。メグが笑いを堪えたような顔で来た。
「気合い入ってますね~。」
「ひやかさないで。」
「まぁ全部売ったらユウビはヒーローだね。」
「そんなのやだよ。ただ・・・。」
「ただ?」
「せっかく気合い入れて作ったんだから全部売ってやる!」
「そうそう!その意気!」売れない。まぁこんなもんか。
「ユウビ!見てあれ!」
その先には人だかりが出来ていた。
「あれ、蘭高のリュウイチくんじゃない?」
蘭高のリュウイチ?私には誰だか分からなかった。
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