どうして君に

《宗一》

つい家に連れてきてしまった。
なんだか無性に書きたくなったんだ。


こいつさっきからめっちゃイラついた顔してるし。
面白えな。


「なんで家…」

そりゃ俺の家にスタジオ用に防音室がついてるから。

「いいからはやくいくぞ。」

敢えて言わない。
イライラしてんのが面白いから。


「えっ、ちょ…


…おいふざけんなよ!」



え。


「さっきからなんも言わずに着いてきたら家に連れ込もうとするとかなんなんだてめえ。曲書くとかなんとか言ってるけど証拠出せよコラ。」



でました本性。めぐみ以上に口が悪い。

やっぱり面白え。


「あ?黙って付いて来いよ」


「っち」

舌打ですか。怖いなぁ〜
ははは。


とりあえず家に入れてスタジオ部屋に放り込んでみた。


「なにこれ…すごっやばいやばいセルマーちゃんのクラ…しかもほかにもパリ産の楽器が…最高か…ここは天国か…」

へー。音楽好きなのは本当みたいだな。


「疑うのやめたわけ?」


「なんのことですか。」

忘れたのかしらを切ってんのかわかんねえけど面白え。

「ほらピアノ。弾けんだろ。適当に歌えよ」


「いいの?触っていいの?ねえ!?いいの!?」


「いいって言ってんじゃん」


そういったら満面の笑みでピアノまで行きおもむろに弾きだした。


「さいっこー…」

楽しそうに弾くんだな。
しかもうめえ…。


…でも歌が聞こえない。
完全にクラシックに入りやがった。


「おい、歌…「邪魔すんな。」」


少しほっとくか。
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