EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

オーレリアンが出ていくと、カロンは部屋の隅に置かれた七輪とよく似た道具に近寄った。

それで何かを温めているらしく、火加減を見てから彼は小鳥に向き直った。


「んじゃあ、服脱いで」

「え…?」

「背中出して」

「え!?あのっ!」

血を抜かれたり、服を脱げと言われたり、小鳥の頭はパニック状態MAXだ。

「な、何するんですか!?」

「焼き印」

「え……?」

「ロゴと識別コードを焼き印する。あんたは大事な商品だからな」

「商、品…?」

目を丸くして固まるも、意味を正確に理解した後、小鳥の身体は震えた。


「あ…あの…冗談ですよね?焼き印とか、商品なんて…」

「残念ながら、冗談じゃない。あんた達にとって俺達は……吸血鬼だからな」

火であぶっていた焼き印を手に持ち、カロンが迫ってくる。


「吸血、鬼…!?」


彼の赤い瞳が肯定するように鈍く光った。

その時――。


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