EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

おどけた調子で話す父親を見て白魔はさらに苛立ちを募らせた。

「今すぐ戻りなよ。フランスに」

「それがね、小鳥ちゃんの歓迎パーティーを――」

ソファーに座る小鳥の背後に回って、ジェラルドが彼女の肩に触れようとした瞬間。


――ヒュンッ、と空を切る音。


それは白魔がナイフを投げた音だった。


「触るな」


ジェラルドの頬に一本の赤い線が走る。

まさかの行動に冷や汗をかいて小鳥は目を丸くした。

「ハハハ、相変わらず白魔はお茶目だなぁ」

しかし狙われた本人は驚きも恐怖も感じていないらしい。

我が儘な息子のやんちゃ振りを楽しんでいるかのようだ。

「おいで小鳥!」

不機嫌全開で白魔は小鳥の手を取った。

「あっ!白魔さん…!?」

引っ張られ、小鳥は白魔と一緒に居間から廊下へ。

乱暴に居間のドアを閉めた白魔は、そのまま廊下をずんずん歩いて音楽室に向かった。

もちろん、小鳥を連れて。




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