EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ

「小鳥ちゃん?聞いてるかい?」

「え!?あ、すみません!なんでしょうか?」

「書斎はフェオの仕事部屋だから、用がなければあまり入らないようにね」

「はい、わかりました」


別のドアから出たため、二人がいる所は廊下だった。

続いて、書斎の向かい側にあるサロンへ案内される。

「ここはサロン。お客様が来た時に使う部屋だから、普段はあんまり入らないかな」

居間よりも豪華で繊細な装飾品やギリシア神話を題材としたタペストリーが、部屋を優美かつ知的な雰囲気に仕立てあげている。

小鳥が内装に圧倒されていると、静理は次へ行こうと促した。

「ここより図書室の方が面白いよ」

「図書室があるんですか?」

「うん。本の倉庫さ」


図書室はサロンの近くにあった。

中はかなり広く、他の部屋よりも天井が高い。

その天井に合わせたのか本棚もかなり高さがあり、上の方は梯子がないと届かないだろう。


< 52 / 505 >

この作品をシェア

pagetop