EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ


 迷わず部屋へ辿り着いたら、ドアの前にカロンがいた。

「おー、あんた、どこ行ってたんだ?」

「あ、え…?カロンさん?」

「呼びに来たのにいねぇし。学校行くんだろ?」

言われて彼との約束を思い出す。

「あ!で、でも私まだ何も支度してな…」

「飯は食った?」

「ま、まだです」

「じゃあ食って。食ったら行く。俺、居間にいるから」


居間に向かうカロンを見てから、急いで部屋に入り余りのパンを食べる。

掛け時計をちらりと見たら、今は八時を少し過ぎた頃だった。


(もしかしなくても…夜の八時、だよね)


モグモグと噛みながら考える。


(今から、学校?)


ということは、自分が行きたい地上にある高校へ行くわけではないのだろう。


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