精一杯の背伸びを


 そのために、この七年間、できる限りのことはした。

 
 彼がいた頃、毎日のように泣いていた。

 
 四歳の頃から、彼に引っ付いて空手を習っていた。


 だけど近所の悪ガキに突かれただけで、ぴーぴー泣いていた。


 そして、同年代の子に比べて成長も遅く、病気がちであったため、内面的にも外見的にも幼かった。

 
 たまに両親から、その時の話をされると今でも穴に入りたい気分になる。

 
 一世一代の告白を無視して、彼がこの町を出て行った。

 
 
 その出来事は私の背中を盛大に蹴飛ばした。

 
 その蹴飛ばし方が盛大すぎて、


 血液を一滴残らず入れ替えたのか。

 
 魂が空気に触れて酸化してから戻ってきたか、と周囲は騒ぎ、様々な憶測が飛び交った。
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