イケメン弁護士の求愛宣言!
「前向きに……ですか?」

なにを言おうとしているのか分からずキョトンとする私に、真斗さんは一呼吸おいて言った。

「そう。オレ、由依子ちゃんと付き合いたいって思ってるから。それを頭の片隅にでも、置いておいてほしい」

「私と……?」

そこまで踏み込んだことを言われるなんて思ってもみなかったから、呆気に取られて言葉が続かない。

そして頷いただけの真斗さんは、「おやすみ」と言って、小さく手を振った。

私も小さな声で挨拶を返すと、階段を駆け上がっていく。

ドキドキする気持ちを抑えるだけで精一杯で、混乱する頭を整理できなかった。
< 58 / 301 >

この作品をシェア

pagetop