イケメン弁護士の求愛宣言!
不機嫌な口調の真斗さんは、サッと立ち上がり先を歩いた。

怒らせちゃったみたい……。

誤魔化したのはバレバレだったってことか……。

すっかり気落ちして彼の後をついていくと、当たり前にふたりぶんの会計を済ませている。

「あの、真斗さん。お金……」

財布を手に取り声をかけると、店のドアを開けながらぶっきらぼうに応えられた。

「お金はいいよ。今夜は由依子ちゃんにご馳走したかったから」

「あ、ありがとうございます……」

『今夜は』って、クルージングのときもご馳走になったのに。

もっとお礼を言わなきゃ、そう思って真斗さんの背中に声をかけようとしたときだった。

「真斗! 帰るの? それなら一緒に帰らない?」

と、美織さんの声が聞こえてきて、口をつぐんだ。
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