恋が都合よく落ちてるわけない
「何で落合君まで付いてくるの?」

部屋に戻って、ドアを閉めようとしたところ、落合君に止められた。

「荷物持ってやれって、陽子さんが…」

「すぐに用意できるから、車で待ってて」

落合君は、私の言葉を無視して、部屋の中に入ってきた。

入ってきて、彼は、部屋の中を見回すと、サイドボードの上の置物や、写真立てを手に取った。

「これ、誰?」

私は、タンスの中から洋服をあさるのを止めて、落合君の方を見た。

「兄貴。二人いるの」

「へぇ~好きなやつの写真とかじゃ
ないんだ」
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