恋が都合よく落ちてるわけない
「さっき、
下田課長に連絡したって言ったよな」

「うん」

部屋に戻ってドアを閉め、二人きりになっても、ぎこちないままだった。


「じゃあ、もう一泊するか…」

「えっ…」

「俺のこと愛してるんだろう?」

「はい。でも、
さっきは好きって言いました」

仁志さんは、
やっと、私を受け入れてくれた。
力一杯抱きしめた。あばらの骨が砕けるくらい強く。

「痛いか」

「大丈夫」

「奏に君の体を見せたこと、
まだ許してない。
ちょっと痛いが覚悟しろ」

「えっ…痛いのはいや」

「悪いと思ったら、
ずっと俺の言う事聞くんだ。
たから、あきらめろ…」

仁志さんは私を膝の上に乗せると、私の頬を両手で思いきり押さえた。

「いつまで、ふられた相手のことに、うじうじ考えてる?」私は、頬を押さえられて何も話せない。

「ずっと、仕返ししたいと思ってた。あれ、結構痛かったぞ」

「そっちは、やめて、許して」

「ダメだ。これからの俺の楽しみだから。ずっと楽しませてもらうよ」

そういうと、仁志さんは私の口を指で引っ張った。

「ずっとって、どのくらい?」

「俺が死ぬまて」
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