恋が都合よく落ちてるわけない

人を
好きになるって、

相手のことが気になって…
姿を見ると、嬉しくて、
でも、気付いてもらえないと切なくて

ドキドキして

熱を帯びたような、やさしい感覚。
あんな風になるものだけだと思ってた。


でも…この人は違う。
いつも精一杯、
手加減することが出来ない。


「言わなくても分かる。
千鶴といるといつもそうだ。

逃げたり、追いかけたり、
ごまかしがきかない。
いつも全力しかない」


ソファの下に、
だんだん私の着ていた服が落ちていく。


「須田さん…私」

「もう一度聞きたい…私じゃダメって」

「いや。黙って…」
私は、キスでごまかした。

あの時と同じ下着だと思ったけど、

彼はそんなこと、気にも止めず、指で弾くように布地を剥ぎとっていく。


私の両手は、
彼の手で押さえられたまま。

体が重ねられ、
彼の温もりが戻ってきた。


「悪いけど、
やっと、君を手に入れたんだ

最初は…
やさしくしてあげたいけど、
君のあんな泣き顔見ると、
もう一度、君が泣いてるところ、
見たいって思ってしまう…」

キスのために、
言葉が途切れ勝ちになり、
彼の存在で全身が満たされていく。




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