恋が都合よく落ちてるわけない
「まあいっか、こいつがいても」
と仁志さんは、落合君がいるのに。
話を始めてしまった。

えっ?いいの?

私としては、
落合君がいない方がいいのだけれど。



「千鶴、
今日から家に来い。一緒に住むぞ」


「へっ?」
落合君と私は、同じ反応をした。
仁志さんが満足げに私たち二人を見る。


「あの…急なことで、
何て答えたらいいのか。少し考えさせて」

何でこんな話を、他人に聞かせるのよ。
何言ってんだろう…仁志さん。


「ダメ。選択肢は他にはない」


「じゃあ、ありえないよ」
まただ。

落合君がいるからって、
気を遣ってる場合じゃない。


「そうだよ。横暴すぎる」
うわあ…初めて意見が合ったよ。
落合君と。


「あれ?
ちょっと待って…まじ?あんた、
須田と付き合ってるの?」

彼は、途中で事の成り行きに気がついて、はっとした顔をした。

そういうと私の顔をじっと見る。


「そうだよ。悪いな、物好きで。
知らないでここにいたのか?」
私が答える前に、須田さんが答える。


「いや、だって、俺、あんたの相手ってもっと美人で、慎ましいって聞いたから」


「こいつにだって慎ましい所くらいあるぞ、あと…美人だし」


「ちょっと、
そんな話してる場合じゃないの。

ねぇ、冗談じゃないよね?
須田さんの自宅でってこと?
それって、2.3日の間ってこと?」


「いや、それじゃすまないだろな。一生かもしれんぞ。まあ、どっちにしろ、付き合ってるんだから、問題ないな?クソガキ」

あやしい。

「そんな急に言われても無理だろ?」
と落合君。


「落合お前は、関係ない」


「とにかく、今日の夜迎えに行くから」
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