~Still~
「神谷颯太の器を信じれば?」

エレナは、亜子の言葉に首を振った。

「いつまでかかるか分からない自分の夢で、颯太くんを縛りたくないの。何年先になるか分からない結婚も、約束できない」

「あんたを尊敬する」

「あたしも」

咲希と亜子は、真顔でエレナにそう言うと、テラスから、遠くを見つめた。

「けど、私は信じてる。神谷颯太は、エレナの運命の相手だって!分かるの、あたし」

「私もそう思う。あんたたち二人は、いつか結婚する!」

エレナは、笑った。

そんな日が来るのだろうか。

「私も、いつか結婚する日がくるとしたら、相手は颯太くんがいいな」

「望め望め!夢は望まなきゃ叶わないわ」

咲希がハツラツとした声でそう言った。
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