~Still~
古代ローマ時代、暴君と呼ばれた皇帝ネロの母親、アグリッピナの生涯を描いた歴史スペクタクルだ。

勿論、シェリル・シーマがアグリッピナ役であるが、後にネロの妻となるポッパエアを、エレナが演じる事となったのだ。

「アジア人のお前が、ポッパエア役とはな」

何かとアジア人の血を引いているのを持ち出し、バカにするジョーイを、エレナはチラリと見た。

正直、エレナ自身、今回は完全にダメだと思った。

だが、有名若手女優を抑え、映画界で無名だったエレナが大抜擢されたと分かった時は、ロス中のエージェントが驚いたかもしれない。

プロデューサーは、ポッパエア役をエレナに決めた時の心境を、後にこう語った。

「意外性の追求は一切ない。
正しい心以外の、全てを兼ね備えた女性、ポッパエアが生きていれば、正にこんな感じだと僕は直感したんだ。
エキゾチックな顔立ち、男を惑わすような魅惑的な瞳。
幼げでありながら妖艶で、儚げでありながら強かな精神。きっと、エレナが演じるポッパエアは、映画を見た人々の心の中で、ただひとりのポッパエアとなるだろう」
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