~Still~
エレナは熱い手拭きを取ると、交互に手を包み込んだ。

それを見た颯太は静かに息をはくと、

「エレナさん、お酒は熱燗がいいですか?それとも、冷酒がいいですか?」

「うーん、温かいお酒にしようかな」

「分かりました」

絶妙なタイミングで声がかかり、瞳がそっと襖を開けた。

「瞳さん、『慕情』を熱燗でお願いします」

「かしこまりました。本日のお薦めは『鱧のミニコース』ですが、いかがですか?」

それを聞いた颯太が、エレナに視線を向けた。

「エレナさん、鱧は好きですか?」

鱧……。

どんなだっけ?
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