~Still~
「だから嫌いなのよ、年下って」

颯太が僅かにムッとしてエレナを見た。

「僕は先月24になりました。あなたは26歳になったばかりでしょう?二歳しか変わらない」

「けど年下にはかわりない」

エレナは、颯太から視線を外した。

「……昔の彼は年下で、私が初めてドラマの端役が決まった時、嬉しくて真っ先に報告したわ。彼もきっと喜んでくれると思ったから。でも、違った。
エレナは俺より役者を取ったと、酔って母親に電話してた。その次の日、私が居ない間に消えた。私が必死で貯めた五千ドルとね」

さらっとしか言えなかった。

どれだけ残酷な目に遭ったかを、エレナは言う気がなかった。

知っているのは親友の咲希と亜子、それに弟の玲哉だけで、泣きながら部屋の床に座り込んだエレナを、玲哉はただ抱き締めた。
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