恋のデザインは色鮮やかに。
「レイさんは何もわかってない…」


「わかんねーよ!

…もう無理だ。
青山の担当でも何でも好きにすればいい。
俺は社長みたいに優しくないからな。


戻って来られると思うな」


え…。


この流れだと、言われても仕方のないことだけど。
一瞬で頭のなかが真っ白に固まった。


出ていくレイさんを引き止めるために声をかけることも動くこともできない。


つまり私は…


捨てられた。


呆然とその場に立ち尽くす。


「秋野は昔からああだ。
すぐに感情的になって手がつけられなくなる。

成瀬さんが望むなら、うちへの完全移籍は歓迎するよ。
秋野なんてこっちから突き放してやればいい」


「はい…」


もう何も考えられる余裕がなかった。


悲しいのか悔しいのか怒っているのか、自分の感情さえも掴めずにいるのだから。
< 201 / 250 >

この作品をシェア

pagetop