恋のデザインは色鮮やかに。
慣れないのに長く外に出すぎた。
俺の生命エネルギーが失われていく気がする。
隣のこいつに奪われてるんじゃないかとすら思えてくる。



…危ない。
これ以上いると俺の生命エネルギーを奪った真央が、更にうるさくなってしまう。


避難しなければ。



「じゃ、帰るから」


そう言い残して出口に向かう。


カウンターには俺と入れ違いに1人の女が来て店員に、すみませんお水もらえますか?と言っているのが聞こえる。



その瞬間、意識的にか無意識的にか足が止まった。


いや、こういうトーンの女なんて数えきれないほどいるはず。
わざわざ振り返って確認しなくても…。


そう思うのに脳は気になると判断した。


自分でも意味がわからないと思いながら確認のために振り返る。


だってあの女は就職先が決まらなくて、神に泣きついてきたようなレベル。


それがこんなところで飲んでいる訳がない。


絶対にない。
あり得ない。



…。


…やけ酒という線があったな。



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