俺たちの妹・2
夕方過ぎに葵が講義を終えて病院へやって来た。

みぃは一度目を覚ましたけど、まだ眠っていたから今日は1日病院でお泊まりと伝えた。



「………………俺のせいですよね?」

葵はみぃを見つめながら呟いた。

「誰のせいって訳じゃないよ」

「でもみぃには辛い思いして欲しくないのに……」

病室に葵の悔しそうな声が響いた。

「俺も同じ事思ってるよ。みぃには辛い思いして欲しくない。
だからフォロー頑張ろう」

「はいっっ‼︎」







「葵、みぃには誰にも言うなって言われたんだけど…」

俺は、みぃの言っていた事を葵に伝える事にした。

「女の子から、口止めされてたみたいだよ。ほんとは元気なのに体が弱いフリをしてるって言いふらすって」

「え?」

「みぃには、誰にも言うなって言われてるから、知らないフリしててね」

「……わかりました」

そう言った葵の顔からは怒りが滲み出ていた。


「女の子は怖いからね。甘く見ない方がいいよ」

「ッッ…。わかりました。慎重に動きます」

葵の心強い言葉を聞けた。
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