俺たちの妹・2
こうやって、大学の中で、お友達と笑いあえる時間が出来たことはほんとに嬉しい。


高校まではずっと同じ人達と過ごしてきて、私の体調も周知の事だったし、優しい人達が多かった。

麗奈さんみたいな人が世間では普通なのかも知れない……


私の世界は狭いから……

普通が分からない………




「みぃ?」

突然背後から声がした。

「あ、葵」

私の大好きな、大切な人。

「どうした?」

私の変化に敏感な人。

「ううん、何でもないよ。お疲れ様」

そう言ってにっこり笑うと、じっと目を見られた。


嘘を付いていないか見てる………


「隠し事はダメだからね」

「うん、隠し事してないから大丈夫」

「……………ならいいけど」

渋々納得した葵。

「悠斗、ありがとな。一緒に食べよ」

「いや、二人の邪魔はしちゃダメでしょ」

そう言って立ち上がる悠斗くん。
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