俺たちの妹・2
司を起こしちゃいけないと思ってそっと寝室を覗く。



「……………さくら?」

司は目を覚ましていた。

「司、具合どう?」

「うん、まだ怠さはあるけど、眠れたから少しマシ。それより、これ桜がやってくれたんだよね?ありがとう」

「そんなのは当たり前だよ。おかゆ作ったの。食べて薬飲んで」


「ありがとう」

そう言って体を少し起こした司。

「……………大丈夫?」

「あぁ、大丈夫」


少し無理してる感じがするんだけど……

そんな事を思いながらおかゆを用意する。

「はい、どうぞ」

「ありがとう。頂きます」

そう言って司は食べ始めた。


いつもより少し量を減らしてあった器はあっという間に空っぽ。

「ごちそうさま。美味しかったよ」



あ…………

私が料理をしたら、いつも司が言ってくれる言葉だ……


なんだか、いつもと違う辛そうな司を見ていたせいか、聞き慣れた言葉を聞いて安心した。

安心したら、肩に入っていた力も抜けた気がする。
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