俺たちの妹・2
「じゃぁ、この話はこれでおしまい。
いつものカフェでお昼に会おうね」

そう言って、葵は違う校舎へ足を向けた。

「葵、テスト頑張ってね」

「ありがとう。頑張ってくる」

そう言って歩き出した葵は、いつもより逞しく良く見えた。


さて………私も行かなきゃ………


講義が行われる校舎へ向かう。

久しぶりの大学だな〜


後ろの方の席に腰をかける。

授業、分かるかな……


そんな不安に駆られてると……


「みぃちゃんおはよ」

「あ、悠斗くんおはよ」

「もう体調大丈夫なの?」

「うん、もう平気。でも授業進んでたら全然わかんないや」

思わず苦笑すると、

カサ……

数冊のノートを差し出してくれた悠斗くん。


「え?」

「みぃちゃんが休んでた間のノート」

「ウソ……」

「ほんと。俺はみぃちゃんにはこれくらいしか出来ないからね」

そう言って優しく微笑んでくれた悠斗くん。

「……あ、りが、と」

悠斗くんの優しさが嬉しくて、目の前が滲んで見える。


「え?ちょ……みぃちゃん、泣かないで」

「ご、めん。嬉し、くて……」

ポロポロこぼれ落ちる涙……

「いやいや、そんな事で泣かないでよ。
何でもない事なんだから」

悠斗くんは必死に泣きやませようとしてくれてるんだけど、一度溢れてしまった涙はなかなか止まらない。
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