俺たちの妹・2
「山内先生。次、みぃちゃんです」

前園さんが声を掛けてくれた。

「分かった」

コンコンコン

「どうぞ」

「「こんにちは」」

みぃと葵がやって来た。

「じゃぁ、ここ座って」

俺が声を掛けると、丸椅子に腰掛けるみぃ。

検診の時、みぃはいつも俺が言うまで座らない。

体調不良で来る時は別だけど……


「どこか変わった事はない?」

体調の事は、みぃ本人から聞き出したい。

「………テスト前は少し体調が良くない時もあったけど、テスト終わったら気持ちが楽になったのか、いつもと変わらない体調に戻ったよ」

テスト、緊張してたのかな……?

「そうなんだね。じゃぁ、今は問題ないんだね」

「うん」

「よし、じゃぁ、診察始めよっか」

そう言って、聴診器を用意すると、みぃは自然と服を少し捲った。

聴診器を少し手で温めてから、慎重に聴診を始める。

音は悪くないな……

みぃの言ってる事はちゃんと合ってるな。

貧血具合は……あまり良くないな……

「みぃ、フラついたりしない?」

「う〜ん、どうだろ……」

………みぃにしては曖昧な答えだな。

「目眩や吐き気は?」

「ん、それはないかな……」

って事は、フラつきはありそうだな……

葵は、みぃの事をジッと見ている。
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