俺たちの妹・2
「………そろそろ着替えた方がいいかもな。一度中に入ろうか?」


やっぱり見逃してくれなかった……

「………うん」

私をゆっくりを立たせた葵は、そのままそっと抱きしめてきた。


「あ、おい?」

驚いて声をかけても無言の葵。

私の胸の音を聞いてるんだろうな……

…………もうお医者さんみたい。

息苦しいのを見抜かれて、吸入する様に言われた。


ここは従った方がいいよね……


別荘の一室にある、医療器具が揃っている一室に入ってベッドに潜り込んだ。

気を抜くと一気に息苦しさが増してきた。


「ケホケホケホッ………」


ベッドに体を起こして預けて身体を休める。

鈴木さんと葵が、部屋へ入ってきた。



葵がそっと手を握り、脈を確認している。

「みぃ?少し辛そうだし、吸入しとこうか」

「うん」

ほんと葵はなんでもお見通しだな……

葵が吸入器をの口元に当ててくれる。

少しすると、楽になってきた。

葵に申し訳なくて謝ると、謝って欲しくないって言われた。

でもやっぱり心に出てくる言葉ごめんねなんだよ……


そんな事を考えていると、いつの間にか眠ってしまっていた。


目が覚めると、隣に葵が居てくれた。

「あおい………」

「あ、みぃ。目が覚めた?一時間くらい眠ってたよ。みんなまだ遊んでるけど見にいく?」

「うん。そうする」

そう言って起き上がろうとすると、葵がそっと支えてくれた。

「ありがとう」

「いいえ。じゃぁ行こうか」

そう言って手を繋いだ私達。

私はやっぱり二人だけの時間が好きだな〜。

なんて思ったりもして。

改めて葵の事を好きになった瞬間だった。
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