俺たちの妹・2
俺は彩をそっと抱き上げて車に乗り込んだ。

「かなた………」

「ん?どうした?」

「気持ち悪い……」

移動するだけで気分が悪くなったみたいだ。

俺は、袋を広げて、彩の口元に当てた。

「オェ、オェェェェ……」

もう出るものはほとんどないのに襲ってくる吐き気に俺でも嫌気がさす。

治まるのを待ってもまた襲ってくる吐き気は仕方ない事だから、とりあえず車を出して、病院へ向かう。

彩は病院へ着くまでに3回戻した。

病院へ着く頃にはぐったりしていた。

俺は彩を抱きかかえて病院へ足を踏み入れた。






「あれ?彼方じゃん。どうしたの?」



突然声を掛けられて振り返ると司がいた。

「司……」

「……………みぃ?じゃないね。彩ちゃん?」

「ちよっと体調悪くて……」

「……………俺が診ようか?」

有難い申し入れだけど……

「ありがたいんだけど、司じゃダメなんだ……」

俺たちの行き先を察知したのか、司はにっこり笑った。

「……………そういう事ね。こんな時にあれだけど、おめでと」

「ありがと、司」

「ここに通ってるの?」

「何かと都合が いいからね。ここにしてる」

「そっか。また落ち着いたらゆっくり時間作って会おうぜ」

「そうだな。またゆっくり話そう」

そう言って、司と別れた。
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