俺たちの妹・2
「ひな兄、俺そろそろ帰るね。みぃもまだ疲れやすいだろうし、身体ゆっくり休めて欲しいから」

葵って、こういう所が大人びた考え方だよな……


「分かった。また時間があったら来てやって」

「もちろん」

そう言った葵は、美晴の額にキスを落として病室を出て行った。

大事にしてくれる人が側にいる美晴は幸せ者だな……



美晴、早く良くなれよ……

俺も美晴の髪をそっと撫でて、葵に続いてそっと病室を出た。




俺は廊下を歩いて、医局へ戻った。




「日向、お疲れ〜」

佐々木先生が声をかけてくれた。

「お疲れ様です」

「みぃちゃんどう?」

「まだ回復までは遠いですね」

「そっか……俺もまた顔出しに行こうかな」

「美晴も喜びます。この前点滴してくれたのも、痛くなかったと嬉しそうでした。ありがとうございました」

「あの時、みぃちゃん凄い緊張しててさ……」

「はは。美晴は点滴苦手なんですよね……初めての人には特に緊張してしまうんです」

「そんな感じだったね。みぃちゃんが少しでも安心して点滴受けれる様になればいいんだけどな……」

「美晴の血管細いから、慣れがいるんですよね……」

「確かに細かったな〜。葵はこれから頑張らなきゃダメだろうけどね」

「慣れれば問題ないんですけどね……
俺、ちょっと司さんに美晴のことで相談あるので、行ってきます」

「分かった。司によろしく」

佐々木先生は手を振って見送ってくれた。
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