俺たちの妹・2
司さんの診察室へ向かう。


コンコンコン

「はい」

「日向です」

「おぅ、入ってきて〜」

中から司さんの声が聞こえた。

「どうした?」

「美晴のことなんですけど」

「うん」

「次、長期で体調崩すことがあれば、大学に通うの考えた方がいいのかなって……」

「……………………」

俺と司さんの間に、少しの沈黙が続いた。


「…………実は俺も以前から考えてた。でも、みぃは嫌がるだろうなと思って、なかなか切り出せなかった……」

「司さんも考えてくれてたんですね」


やっぱりこのまま通うのは良くないよな……

「高校までの校舎とは距離も違うし、少しみぃの負担になってきてるんじゃないかと思ってね……
一度、今回の入院中に切り出してみるよ」

「お願いしてもいいんですか?」

「今回は日向より、俺の方がいいだろ。主治医として諭してみるよ」


確かに、兄として言われる言葉と主治医として言われる言葉は、受け取り方が違うもんな……

「お願いします」

いつ切り出すか、どんな風に言うかも司さんに任せてしまって申し訳ないけど、仕方ないよな……

「体調が回復するまでは言わないから、安心して」

「ありがとうございます」

こうして、司さんとの相談を無事に終えた。





美晴の体調は直ぐに回復するのは難しくて、とりあえず一ヶ月入院する事になり、後は自宅療養で体調を徐々に戻していく方向になった。

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