俺たちの妹・2
結局、予定日はほんと予定で……

予定日を過ぎても生まれてくる気配はなかった。

でも、女の人は強いな……

こんな時でも

「お腹の中が居心地いいのかな〜」

なんて笑ってるし……

美晴も釣られて

「のんびり屋さんだね」

なんて言いながらお腹を撫でている。

ハラハラドキドキしてるのは男だけだった。






そんな日が続いていたけど、とうとうその時がやってきた。

その日は俺も兄貴も普段通り仕事で、いつも通りの朝を過ごしていた。




彩さんはさっきからいつもより動きが鈍くて、ゆっくりだった。

「彩?どうかした?」

兄貴は彩さんの異変にすぐに気付いて、彩さんの傍に付いた……

「あ、うん。何だかいつもよりちょっと張りが強くて……」

お腹をさすりながら兄貴に支えられてソファーに腰掛けた。。

「陣痛?」

「う〜ん、分かんないし、まだだと思うんだけど、今日か明日には会えるかもね」

なんて笑顔で過ごす彩さんはほんと凄い人だ。


「破水したり、痛みが出てきたらすぐに教えて ?」

「分かった」


夫婦のやりとりも、流石医療関係者……


「仕事休もうかな……」

そんな兄貴の呟きに

「そんなのダメよ。陣痛になったからってすぐに生まれる訳じゃないし、彼方は仕事に行って?何か変わった事があれ
ばすぐに連絡するから……」
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