俺たちの妹・2
日向が呼び出されたすぐ後に、司はみぃに点滴をしてくれた。

「新が生まれてから、みぃの体調落ち着いてきてる気がしてたんだ。でも、無理させてたのかな……」

「…………みぃはね、定期検診の度に、俺に言ってた事があったんだ」

「言ってた事?」

「『新の今しか見れない成長を見たい』って……『私には無理かもしれないから』って……」

司の言葉に、俺は言葉が出なかった。

みぃは、新と一緒に過ごす事で、自分の未来を想像してたんだ……

「…………それって」

「無理ではないのは、彼方もよく分かってるだろう?」

「あぁ」

「でも、かなり身体に負担がかかる事は間違いない。みぃは、自分が良くても、周りに迷惑が掛かる事を危惧してるんだ。もし、この先みぃが妊娠する事になったら、俺たち医者は全力でサポートするよ。でも、サポート出来るのは出産までなんだ」

司の言葉に間違いはない。

「いざ、育児が始まれば、家族の協力が絶対必要になってくる。出産を終えたみぃの体調がどうなるかは全く予想がつかないしね……
いつも元気な彩ちゃんがツワリで苦しんでいたり、出産後も大変そうな姿を見て、色々考える事もあるんだろうな……」


確かに彩のツワリは重かった。

代わってやりたいって何度思ったか……

同じ事をみぃが経験するとなると、耐えれるのかな……

俺でもこんな風に思うんだ。

みぃはもっと思ってるはずだな……

< 467 / 612 >

この作品をシェア

pagetop