俺たちの妹・2
「山内先生。今日からお世話になる実習生を紹介します」

前園さんがやってきた。

「「「失礼します」」」

そう言って俺の診察室に入ってきたのは、医学生3人。

「橋本楓です」
「谷口葵です」
「杉山仁です」

そのうちの二人がまさかの楓と葵だった。

「呼吸器内科医の山内です。分からない事があれば、いつでも聞いてください」

「「「はい」」」

「山内先生、よろしくお願いします」

「了〜解」

俺の返事を聞くと、前園さんは葵と楓にボソッと呟いてから診察室を出て行った。



「それにしても驚いた。葵と楓がセットで来るとは」

俺の言葉に驚いたのは残りの一人の杉山くん。

「え?知り合い?」

「俺の彼女の主治医なんだ」

「あぁ、美晴ちゃんの」

「仁、みぃちゃん知ってたっけ?」

「高校の頃から二人は有名だろ?知らない奴はいないよ」

「それもそうだな。葵とみぃちゃんは有名人だもんな」

「さ、とりあえず楓と杉山くんは今日は見学してて。明日から、色々やってもらうから。葵は、出来る事やって」

「さすが葵だな……」

「どうして葵だけ?」

杉山くんは不思議そう。

「あぁ…葵はみぃの診察に付き添う事が多いから、いつも手伝える事は手伝ってもらってるんだ」

「いいな〜。俺らより経験豊富じゃん」
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