俺たちの妹・2
そっと聴診器を当てる……

「…………今の所、発作は大丈夫そうだけどな……」

「発作はな……でも、腹痛と嘔吐があるから……体力なくなりそうで……」

「ん、確かにそれはありえるな……」

ちょっとみぃちゃんにはしんどい状況だ……


「胃腸炎じゃなかったら吐き気止め入れてあげたいけどな……」

「みぃに、説明してるんだろ?ならみぃはちゃんと分かってるよ」

「あんな状態でも?」

「そう、あんな状態でも意識はハッキリしてるから……みぃは結構覚えてる事多いんだ。覚えてない時は重症だと思っていいよ」

「そっか……司が言うならそうなんだろうな……」

「とりあえず3日、様子見よう。それで良くならなかったら、他の方法考えよう」

司は、治療の提案をしてくれた。

担当患者の主治医が一番分かってるからな……

「分かった」

「俺も出来る限り顔出すようにするから、何か変わった事あれば、教えて」

「了解」

「ICUに入ったみぃには特に今の俺はしてあげられる事ないけど、俺も様子見にくるな」

彼方はみぃちゃんから視線を外す事なく呟いた。

妹がこれだけ辛そうなら、兄貴も辛いよな……





《お兄ちゃんには私の辛さなんて分かんないんだからっっ》

いつか、妹に言われた言葉が蘇った。

俺は実家から出ているから、今はあまり妹に会う機会もなかなかないけど、体調の悪い妹によく当たられたな〜。


思わず苦笑が漏れた。
< 513 / 612 >

この作品をシェア

pagetop