俺たちの妹・2
数日間、痛みが出てきては痛み止めを入れてもらう事を繰り返して…………

ようやく痛みがなくなり、終息を迎えた。



「みぃ、退院許可するけど、まだ本調子じゃないから、食事は無理しちゃダメだよ」

「うん」

「何か体調に変化があれば、すぐに連絡して」

「うん………」

退院が決まっても、まだまだ心配をされる私って、やっぱりお荷物だな……

退院で嬉しいはずなのに、少し気分が落ち込んだ……

退院準備をゆっくりと進める。


あまりにも常連化しているこの部屋の住人には暫くなりたくないな……


学校継続の判断が下る、9月までは来たくない‼︎

そう胸に誓った。



「みぃ。準備出来た?」

葵が迎えに来てくれた。

「うん。出来てるよ。葵、ありがとね」

そう言って、荷物を持ってゆっくり立ち上がった。

「荷物俺が持つから、手繋ごう?」

葵の優しさが嬉しい……

「ありがとう」

「ふふ。どういたしまして」

葵はにっこり微笑んでくれた。



家に帰ると、ホッとして疲れが出てきた……



「みぃ、少し休んでおいで。俺、ここにいるから」


「ん、そうする。勝手に帰っちゃダメだからね」

「分かってる。ひな兄の部屋から本借りて読んでるから、何かあれば教えて」


同じ空間に人がいてくれるってありがたいことだな……

「葵、ありがとう」



こうして、私の胃腸炎は終息を迎えた。
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