俺たちの妹・2
「母さんも喜ぶから行ってきなよ」

「そうする」

湊の一言で、立ち上がりキッチンへ向かった。


「春子さん、俺も何かしますよ」

「あら、日向くんも手伝ってくれたら豪華なご馳走が出来そうね」


春子さんが嬉しい言葉をくれた。

3人で調理を進めていくとすぐに何品か完成した。

「美晴、もう殆ど終わりだから、少し休んでおきな」

少し疲れが見え始めていた美晴に声をかけた。

「でも……」

少し渋る美晴に春子さんは優しい言葉をくれた。

「そうよみぃちゃん。楽しいお話出来なくなるのは困るわ」

美晴は春子さんの言葉を聞いて、

「少し、休ませてもらいます」

そう言って、ソファーに腰掛けた。






暫くすると聞こえてきた寝息……


「あら、みぃちゃん寝ちゃったわ………みぃちゃんに無理させちゃってたのかしら」

タオルケットを美晴にかけながら心配そうに覗きこむ春子さん。


「いえ、美晴も喜んでたので嬉しかったと思います。無理はしてないですよ。いつも動いては休んでの繰り返しなので」

「それがみぃちゃんのペースなのね」

「美晴は、他の人より時間は掛かりますが、最後までやり遂げますから」

「葵の見る目は正しかったって事ね」

「そう言ってもらえると美晴も喜びますし、俺も嬉しいです」

春子さんの言葉は俺と美晴にやる気を与えてくれる。
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