俺たちの妹・2
目を覚まして2日後には、熱も下がり、いつもの病室に移動した美晴。


病室に顔を出すと、いつもは笑顔で迎えてくれる美晴だけど、ここ二日はその笑顔が見れない。

悲しそうな、申し訳なさそうな表情をしている。


その変化に、葵も気付いていたみたいで……

「ひな兄、今時間ある?」

医局に訪ねてきた。

「大丈夫だよ。どうした?」

「みぃにいつもの明るさがなくて……話をしてても上の空の事が多くてさ……」

「司さんからまだ直接聞いてないから分からないけど、多分今回の事があったから、大学を休学か退学する事になると思うんだ。今の美晴の状態だと、俺の患者だったらそう伝えるかな……」

そう、そんな決断をしなくてはいけないくらい、今回の発作は大きくて酷かったんだ。


「みぃは何か勘づいてるかも知れないな……」

葵の言葉は最もで……

美晴は、俺たち医者が伝える前に、自分の中で感じていたりする事が多い。

俺たち医者や周りの大人に当たらず、自己完結してしまうから、ストレスは溜まる一方だと思う……

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