俺たちの妹・2
それから、みぃの発作は出たり落ち着いたりを繰り返し……

体調が不安定な事が増えて……

ボランティアも少し休憩する事になった。

体調が不安定なみぃに、家で一人の時間をあまり過ごして欲しくない事もあり
俺たち一家も、暫くの間一緒に暮らす事にした。



その間に葵は、4年生で受ける大事なテストを受ける為、勉強に精を出し、今まで以上に葵が勉強している姿に、みぃは驚いていた。

そんな難関なテストも難なくクリアして、来年の春からは研修医として、大学病院で実習できる事になった。

「葵、今度の実習ではどんなところに行くの?」

リビングのソファーにもたれながら葵に話しかけるみぃは、今日はまだ体調がいいみたいだ。

「希望通りに行かないと思うんだけど、小児科と外科と呼吸器内科を希望してる。もしかしたら、またみぃに会うかもね」

「へへ、そうなったらなんか照れるね」

「そうだな。俺はみぃの力になれるから嬉しいけどね」


「私は……いつか葵の力になれるのかな?」


「俺にとってさ、みぃが側に居てくれる事は、十分やる気に繋がってるんだよ」

不安な言葉を発したみぃに、葵はすぐに側に寄り添い、みぃの手をぎゅっと握った。

誰が教えた訳でもないのに、不安な心に寄り添う事が出来る葵は、やっぱり凄いやつだった……

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