俺たちの妹・2
「あの…葵くん?」

「…………何かな?」

葵の声が冷たい気がする。

「私は、葵くんの事を彼女に教えてあげていたの」

少し戸惑いながらも言葉を続ける深山さん。


「…………みぃの方が深山さんより俺の事良く知ってると思うけど」

「私は葵くんの事を入学してからずっと見ていたから何でも分かりますっっ‼︎」

凄い自信………

「じゃぁ……俺の好きな食べ物、みぃに教えてあげて」

「はいっっ‼︎」

深山さんは張り切って返事をした。

「葵くんの好きな食べ物は、トマトです」

…………………ん?

それは葵の苦手な食べ物なんじゃ……

「じゃぁ、嫌いな食べ物は?」

「グラタンです」

葵は、グラタンは好きだと思うけど………

どうして反対に思われちゃうんだろ………

それとも葵の好き嫌い変わったのかな……



「……………みたいだよみぃ」


葵は、私の頭を撫でてくれた。

「…………ねえ、ほんとに?」

「ん?」

「ほんとにそうなの?なら、私ずっと間違ってたのかも……」

不安になって、葵に聞いてみた。
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