俺たちの妹・2
「あなた、聞いてるの?」

「………………はい」

深山さんは、それからも葵がいかに優秀かを語ってくれた。

もちろん、私への侮辱も忘れずにね……


ふと前に座っている人に目を向けると、青白い顔をしていた。

視線の先を振り返って見てみると、お昼ごはんを持った葵と楓くんがいた。




周りは一瞬でシン………となった。


「あ、あの…葵くん「みぃ、ご飯買ってきたよ。食べよ」

コト……

「葵…ありがとう」

「ふふ、どういたしまして」

にっこり笑いながら、私の前にパスタを置いてくれた。

「楓も座って食べよ」

楓くんに座るように声をかけて、葵は私の隣に座った。


「あの、葵くん?「凄い人混みでさ〜みぃは行かなくて良かったよ。埋もれちゃってたかもね」

深山さんからの言葉に被せるように発する葵の言葉。

まるで聞きたくないと言っている様だった。

「ねぇ、葵?」

「ん?」

……私の言葉にはきちんと答えてくれる葵。

「深山さんが呼んでるよ?」

私の言葉を聞いて、ようやく深山さんに視線を移した葵。

こんなあからさまな葵は初めてだ……
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