俺たちの妹・2
「あ、葵くん。これ一応ね」


そう言って渡されたビニール袋。


「さっき戻したみたいだし、念のためね……」


「ありがとうございいます」




俺たちは保健室を後にした。




駐車場まで早足で歩く。


「俺、さっき保健室へ移動する時にみぃちゃん抱き上げたんだ」

「ありがとな……」

「そんなのは全然いいんだけど、みぃちゃん、軽すぎだよね?」


「楓もわかる?」

「当然」

「みぃの身長からは20㎏くらい少ない」

「…………はぁ?」

「30代前半ってこと」

「そんなに?」

せいぜい10㎏くらいかと思ってた。

これは、葵も大変だ。

体重が少ないと抵抗力も弱ってるし、体調崩しやすいもんな………


みぃちゃんも華奢な体で頑張ってるだろうし、責められないよな……


「葵、1人で頑張り過ぎるなよ」

「…………楓、ありがと」


俺たちは車に乗り込み病院へ向かった。
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