冷蔵庫サイドストーリー
「ああ……いるんだ、専属で調べる人間が」


語尾が少し口ごもる。

鏡のように反射して僕を照らすシグマの瞳は、より一層輝きを増す。


「すごいねー! お金持ちなんだねー!」


何がそんなに楽しんだ、と言いたくなる笑顔。


「そうだな、多分金持ちだ」


そんなことない、などと嘘を言うと、かえって厭味っぽくなる。

実際僕は世間一般に言うところの「金持ち」だ。


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