今日も鈍感な君に振り回されて
好きなら好きってちゃんと言って!
『お前が俺を好きにならないから…』
言って…
本人を目の前にして、“好き”というフレーズだけでこんなにも胸がドキドキすることを初めて知った。
やっと本人に言えた、そのことへの達成感、爽快感が溢れる心に、相手の表情、仕草に不安と後悔という思いさえ胸に突き刺さる。
『諭…それは……どういう意味…?』
『俺の前で、好きな奴がいることをバラすわ、俺がやっとの思いで“付き合う”とか言っても“救済目的”とか言われるし…。
なんかムカついた、ムカついて悔しくて、それでもその想いを消せる訳でもない、けどやっぱりバカで鈍感でガキなお前が気になって……』
『だから?
だから結局、どういう意味なの?』
由香は俺の左腕を両手で掴み、そう問いかけてくる。