俺様社長の飼い猫
そう言われて、拒否する理由が見つからなかった。

…今の彼氏は、私にとって、初めての彼氏だからだ。

付き合うって、そう言う事なのかなと思ってしまって。

…会社についた。

私は俯き加減で中に入って行く。

「…東郷社長」
「…⁈」

私の少し先の方に、紫音と安堂がいて、私は思わず足を止めた。

恐る恐るそちらに向くと、更に驚いた。

…家にいる時の紫音とは、まるで別人だったからだ。

険しい顔つき、笑顔なんて、微塵も無い。

周りにいる社員たちは、次々に頭を下げていた。

そしていつの間にか、私の横を通り過ぎていく。

慌てて、頭を下げた。
こんなところで、バレるわけにはいかない。

「…スズ?」
紫音の声が聞こえた。
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