君と恋した記憶~どんなに遠くても、君が好きだ~
どうしてそんな、優しいセリフを言うの?

どうしてそんな、切ない表情をするの?

どうして・・・・・・流也のセリフは、こんなにも甘くて切ないんだろう・・・・・・?

あれだけ、流也のことをたくさん傷つけて、嘘までついたのに・・・・・・こんな私を、愛してるって言うの・・・・・・?


私も、流也の傍にいたい。

でも・・・・・・やっぱり、ダメ・・・・・・。

私はもう、記憶をなくしてしまうのに・・・・・・。


「・・・・・・私、やっぱり・・・・・・流也の傍にはいられない。何もかも、全部消えてなくなってしまうの。私が記憶をなくしたら・・・・・・流也は泣くでしょ?悲しむでしょ?私と別れることよりも、つらいでしょ・・・・・・?」


流也は、悲しそうな表情をしている。


「・・・・・・もちろん、お前が記憶をなくしたら・・・・・・すっげえ悲しむ。でも、お前にもう一度、俺のこと好きになってもらう。」

「え・・・・・・?」

「お前は、俺に告白して、俺を振り向かせてくれたよな?覚えてないか?」

「・・・・・・。」


流也を振り向かせた・・・・・・?

いつ?

何の話?

告白のことも・・・・・・全然覚えてない・・・・・・。


「お前が記憶をなくしたら・・・・・・今度は俺が、お前を振り向かせるから。」
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